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ねじは、通常は締結等を主目的として使われるため、原材料は、使用環境や、必要とする強度と耐久性を考慮して、鉄、ステンレス、真鍮等を原材料とし、製品には必要に応じ表面処理を施すのが一般的です。 しかし、その主目的が、締結と並んで装飾や導電性であったり、重量や磁性・非磁性の制約があったり、より高度な耐久性や、強度が必要とされたり、複合的に多くの条件に合わせる必要があったりする事もあり、一例を挙げるだけでも、鉄鋼材(SS400/SWCH/S45C/SCM435/SNB7 等)
・ ステンレス(XM7/304/316/316L/410/430 等)
・ 真鍮 ・ 銅 ・ 燐青銅 ・アルミ ・ チタン ・
樹脂系(ポリ塩化ビニル/ポリカーボネート/ポリアセタール/ABS/ユリヤ 等)
といった様々な材料が使われます。
(1)鉄鋼材
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分類 |
名称 |
記号 |
用途例 |
| 棒鋼・形鋼 | 例) 一般構造用圧延鋼材 | SS400 | ボルト・ナット 等 |
| 鋼板・鋼帯 | 例) みがき特殊帯鋼 | S50CM | 歯付座金 等 |
| 線材 | 例) 冷間圧造用炭素鋼線 | SWCH** | 小ねじ・タッピング・ボルト・ナット 等 |
| 例) 硬鋼線材 | SWRH | ばね座金 等 | |
| 機械構造用
炭素鋼 |
例) 機械構造用炭素鋼材 | S**C | ボルト・ナット・ピン類 各種部品 |
| 例) ニッケルクロム鋼鋼材 | SNC *** | ||
| 機械構造用
合金鋼 |
例) ニッケルクロムモリブデン鋼 | SNCM *** | キャップボルト・ホーローセット 等 |
| 例) クロームモリブデン鋼 | SCM *** | ||
| 例) 高温用合金ボルト材 | SNB ** | 高温用ボルト・ナット 等 | |
| 特殊用途鋼 | 例) 硫黄快削鋼鋼材 | SUM31 | 切削ねじ 等 |
| 鋳鍛造品 | 例) 炭素鋼鍛鋼品 | SF440A | 蝶ボルト・蝶ナット 等 |
※強度区分について…ネジの強度を示す基準のひとつとしてボルトの場合は「強度区分」が多く用いられます。
強度区分はボルトの頭に刻印されている「4.8」「8.8」「10.9」「12.9」といった値が強度区分です。(4.8は刻印されない場合もあります)
これらに用いられている「.」は小数点でなく点の前後の数値が別々の事を表しています。
「.」より前は荷重をかけても切れないという値で、「.」より後は荷重をかけても元に戻る値です。
ねじは目には見えませんが締め付けると少し伸びる事で縮もうとする力が発生します。
この縮もうとする力により緩まず保持されているのです。
この値を超えると「永久伸び(=変形して戻らない→縮もうとする力がない)」になってしまいます。
言葉ではわかりにくいので下に表を用意しました。
| 表記 | 意 味 (力の単位 m?あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 12.9 | 約120kgまで荷重をかけても切れない. その90%の約108kgまでは荷重をかけても元に戻る |
キャップボルト/一部の高力六角ボルトなど |
| 10.9 | 約100kgまで荷重をかけても切れない. その90%の約90kgまでは荷重をかけても元に戻る |
キャップボルト(メッキ品)/高力六角ボルトなど |
| 8.8 | 約80kgまで荷重をかけても切れない. その80%の約64kgまでは荷重をかけても元に戻る |
8マーク六角ボルトなど |
| 4.8 | 約40kgまで荷重をかけても切れない. その80%の約32kgまでは荷重をかけても元に戻る |
六角ボルト(一般品)など |
「8T」「11T」といった「T」表示の強度区分(旧)では戻りに対するる規定がありません。
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ステンレス鋼の種類 |
特徴 |
|---|---|
| マルテンサイト系 ○代表的な鋼種 ・SUS410系 ・SUS420系 ・SUS416系 ・SUS431系 など |
Cr
12〜18%を含み、焼入れによって硬化する。
SUS431(C3)はNiを含有し、高い強度を持っているので、SUS410/420(C1)及びSUS416(C4)のグループとは別の鋼種として取り扱う。 耐食性としては、大気、水。蒸気、薄い酸には十分耐えられるが、表面に鉄粉が付着して汚れていれば錆びるので、最終製造過程で不働態化を行うことが必要である。 酸洗いを施したものは、水素脆性に注意し、もろさ除去のベーキング処理が必要である。 |
| フェライト系 ○代表的な鋼種 ・SUS405系 ・SUS430系 など |
Cr
12〜18%を含み、高温から急冷しても硬化しない。
この系統のねじ部品は焼鈍材の冷間加工によって所定の硬度が与えられるが、焼鈍時炭化物の析出によって耐食性が低下しないよう注意が必要である。 耐食性としては大気、水。蒸気、薄い酸には十分耐えられるが、表面に鉄粉が付着して汚れていれば錆びるので、最終製造過程で不働態化を行うことが必要である。 この系統のねじ部品は特に衝撃点の低い点に注意を要する。 0.1%Cを含むCr鋼の常温における衝撃値の変化をみると、Crが15%を越すと急激に衝撃値が低下する。これはフェライト中のC及びZnによる影響のためであるので、これらの含有量を減らすことによって改善できる。 |
| オーステナイト系 ○代表的な鋼種 ・SUS304系 ・SUS-XM7 ・SUS305系 ・SUS310系 ・SUS316系 など |
Cr
16〜20%、Ni8%以上をを含み、焼入れによって硬化はしないが、加工硬化性が著しく、1000〜1150℃に加熱急冷する溶体化処理により、耐食性、強靱性が改善される。
SUS316/316L(A4)はMoを含有し、耐食性が優れているので、SUS303(A1)及びSUS304/347/XM7(A2)のグループとは別の鋼種として取り扱う。 冷間圧造では304に代わりXM7が多く使用されている。 (1) 量産は一般には冷間加工によるが、複雑な形状の部品は温間加工、大径の部品は熱間鍛造する。 加工の中間で、1100℃程度に加熱後急冷して炭素やCr炭化物を基地に固溶させ、強靱性及び耐食性をよくする固溶化熱処理を施す。 この処理により、冷間加工によって生成したマルテンサイト組織は再結晶によって元のオーステナイト組織に戻り、耐食性も回復する。 応力腐食のおそれがあるねじ部品は加工後、残留応力除去のため、900℃程度に加熱して徐冷する熱処理を施すことがある。 転造したねじ部から発錆することがあるが、これは、冷間加工の結果マルテンサイトを含む二相組織となり、局部的に耐食性が低下したためである。 (2) 海水中で作動する機械を締結している部品には、応力腐食に基づく破壊がしばしば発生する。これは腐食環境の下で引張応力が作用する部品が破壊する現象である。その対策としては残留応力除去、Ni含有量の高い材料の使用、割れの感受性を低下させる表面加工等が考えられる。 (3) 海水中に長期間ステンレスねじ部品を浸漬すると、局部腐食又は点食が発生する。Crステンレス鋼では、Cr量の多い程・同Cr量ではオーステナイトねじ部品の方が点食を起こしにくい。更に、Moは点食感受性を減少する最も有効な添加元素である。SUS316が優れた耐海水性をもっていることが判る。 (4)この系統の材料は600〜800℃の高温で粒界にCr炭化物が析出する粒界腐食発生の欠点がある。これはCr炭化物が析出するとその付近の基地のCrが欠乏し、不働態化に必要なCr量が12%より低下するからである。これを防ぐには炭素量を0.07%以下、できれば0.03%程度に下げるか又は安定炭化物をつくるTi(チタン)、Nb(ニオブ)のような合金元素を加えて均一に分散させ(安定化ステンレス鋼)、Crが炭化物になるのを防止する必要がある。 (5)この系統のねじ部品では、応力−歪曲線に明確な降伏点がみられないので、0.2%永久伸びの応力δ0.2を耐力とするが、焼鈍状態の降伏比(耐力/引張強さ)が他のステンレス鋼より低く、40〜50%である。しかし、冷間加工時の加工硬化性は非常に大きい。Niはこの加工硬化性を抑制するのであるが、Ni7〜12%で効果が最大とされている。 |
ステンレスねじにはかじりや焼付きが起こり易いという欠点がある。特にオーステナイト系に多い。
ステンレス鋼は普通鋼に比べて熱膨張係数が高く、熱伝導率が悪い。(304の場合、普通鋼に比べて熱を約3倍伝えにくく、熱に対して約1.5倍伸び易い) 熱を伝えにくいうえに、熱に対して伸び易いことは、ねじ摺動面での発熱、膨張が大きいことや、材料の降伏点が小さくやわらかいために、塑性流動が起こり、これらの要因が重なりあって、かじりや焼付きを誘発してしまうものと考えられる。
焼付防止のためには二硫化モリブデンなどの潤滑剤が効果的である。(弊社にて二硫化モリブデン潤滑スプレー取り扱っております。)
真鍮は導電性に優れるため、電気部品の端子止め用等に使われる。
耐食性にも優れるため、内部端子等に使う場合は生地で使用する場合も多いが、製品によっては表面処理を施す。主な表面処理としては、
・強度補強や美観の向上を目的とした <ニッケルメッキ>
・錆を落とし、光沢を出す <キリンス処理>
・表面に硫化物や酸化物の被膜を形成させ、独特の色調を出す <古美処理>
などが目的に応じて施される。
樹脂製のねじ製品は主にユリヤ・ポリアセ・ナイロン・塩ビ・ポリカーボネート・レニー(高強度ナイロン)等があります。
ユリヤは金属製のねじ部とユリヤ樹脂の頭部が組合わされて出来ています。
その他は、全体が単一材質で成型されており、形状は、小ねじ・六角ボルト・六角穴付ボルト・ナット・ワッシャー等があります。
一般に、樹脂は鉄等の金属材料に比べ、軽量で、耐薬品性・絶縁性に優れ、磁性を帯びません。
多くの樹脂製品は対薬品性能に優れますが、それぞれの材質により、酸系薬品に強いもの、アルカリ系薬品に強いもの、有機溶剤系に強い物など得手不得手もあり、燃焼性・物理的強度などもそれぞれ異なるので、使用条件に合った物を選定する必要があります。
レニー = 高強度ナイロン・・・従来のプラスチックねじに比べ大きな引張り強度を持つ耐薬品製・電気絶縁性・耐食性・断熱性に優れた材質です。
チタンは軽量で、比強度が高く、非磁性であり、耐食性、耐熱性、耐寒性、対疲労性、対摩耗性に優れた、理想的な金属材料であり、現在は航空・宇宙産業、石油・化学プラント、電力プラント等を中心に使用されており、今後も多くの分野での需要が見込まれています。
軽量・非磁性という特徴を生かし、わずかな帯磁や、重量差、温度による変形等によって生じる誤差さえ許容できない精密機器の組付け部品等に最適です。
また、チタンは上記の特徴の他、金属アレルギーを起こしにくいという特徴もあり、医療分野でも欠かせない材料となっており、さらには装身具等への需要も高まりつつあります。
弊社ではチタンのねじ製品も広く取り扱っており、小ロッドにも対応可能です。
価格についても、ステンレス等に比較すると、まだまだ高価という印象は拭えませんが、需要増による物流の発達と、加工技術の向上により、その性能を勘案すれば随分入手しやすい価格になってきております。
以前より「チタンは強い」という概念が強く、商品を扱っている立場でありながら弊社としても一部誤解していた部分もありましたが、普及に伴い多くの情報を得た結果、純チタンとして強いのは(重量に対する)「比強度」であり、ネジ製品として普及している「工業用純チタンJIS2種 (tb340/TW340)」の純然たる強度としては4T〜5T(焼き入れしていないナマの鉄と同等かやや強い)程度です。
いわゆる「6-4チタン合金」の強度が「チタンの強度」として情報が一人歩きしてしまっていたようです。
尚、「6-4チタン(Ti-6Al-4V)」のネジは、それぞれの分野(レース関係・改造パーツ・航空機・ロケット産業など)で特化したサイズだけがそれぞれの業界内を中心に流通しているケースはありますが、現状のネジ業界としてはほとんどのサイズが受注生産対応となります。
チタン製品について御興味がありましたら、是非一度弊社に御相談下さい。
6.アルミ
アルミは軽量で腐食に強いという特徴があります。
サッシ戸のアルミ枠留めは一般的にステンレスネジが使われますが、電蝕でアルミ枠が腐食してしまう場合など、同材質アルミネジを採用すれば電蝕の防止になります。(但し、強度はステンレスより大きく劣るので注意が必要です。施工する場合は必ず専門家の指示を仰いで下さい。)
その他、軽量化を目的としてラジコンなどホビー関連の需要が見込まれています。
但し、鉄やステンレスに比べると強度は劣るため、代替として使う場合、同じトルクで締め付けると破壊してしまったり、強度の必要な箇所に使った場合、アルミでは耐えられずに折れてしまう事も考えられますので御注意下さい。
以上の御注意をふまえた上で、ラジコン・ロボット・自転車・アウトドア用品・ホビー用品の軽量化などに御活用下さい。
強度参考値は下記の通りです。
2013/11 追記 : 製造メーカーに確認したところ、全ての流通品に各合金番号に於ける材質区分に記載された下表(JIS B1057規格より抜粋)に記される強度(引張強さ/耐力/伸び)が適用・保証されているわけではないとの事ですので、当表はあくまでも参考値と考えて下さい。
| 材質区分記号 | ネジの呼び径区分 |
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合金番号 | 製品 | ||||||
| AL1 | M1.6〜M10 | 270 | 230 | 3 | 5052等 | 小ねじ類など | ||||||
| M12〜M20 | 250 | 180 | 4 | |||||||||
| AL2 | M1.6〜M10 | 310 | 205 | 6 | 5056等 | ボルト類・ナット類など | ||||||
| M12〜M20 | 280 | 200 | 6 | |||||||||
| AL3 AL4… | ||||||||||||
| AL6 | M1.6〜M39 | 510 | 440 | 7 | 7075 7050等 |
キャップボルト | ||||||
参考
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420 (最小) |
340 (最小) |
20〜22 | SWRCH □□ | 小ねじ・ボルト・ナットなど |
